Dec 13, 2013

香川県 以外に知られていない実情 ~データで検証~

これからお話するデータを見ると、県内外の人問わず驚かれるだろう。
香川県は全国的に見ても、外国人の増減率が著しく増加方向へ伸びている。
「外国人」=「よそ者」ではなく「外国人も地域人」の時代がもう既に始まっているのだ。

・・・といわれてもピンとこないだろうから・・・

【2005~2011年の外国人人口増減率】
※変化が無かった場合を増減率0%とし、数値がプラスの場合は「増」、マイナスの場合は「減」を示す。

全 国・・・・・・・・・・33.62%
都道府県平均・・・24.95%
香川県・・・・・・・・・38.40%
京都府・・・・・・・・・14.16%

日本全国を分母にした増減率よりも、香川県だけの増減率が少し上回っているのはわかる。
注目したいのは、各都道府県の増減率の平均値を約14%も香川が上回っている点、
さらに驚いたのは・・・人口密度が香川県(約525人/万k㎡)とよく似ている
京都府(約568人/万k㎡)と比較してみると・・・香川県の増減率が高いことがわかる。


【外国人人口増減率ランキング(47都道府県)】
上の数値を見て、私は驚いた。
これだけの伸び率を見せているのであれば・・・47都道府県を順番に並べたら
香川はどこにくるのだろうか・・・と思った私は・・・

1位 東京都 63.35%
2位 千葉県 50.77%
3位 埼玉県 49.59%
4位 大分県 47.26%
5位 岡山県 45.23%
6位 広島県 44.46%
7位 神奈川県 43.97%
8位 石川県 40.88%
9位 北海道 40.76%
10位 香川県 38.40%

ちなみに先ほど引き合いに出した京都府は36位。
大阪が入ってこないのはとても以外だ。

さて、トップテンにランクインした香川県。
人口の多い大都市関東圏と同じ土俵に立っても10位。

では・・・総人口ランキングTOP10の都道府県を除外して数えてみたらどうなるか。
気になる。
少なくとも、私は気になった。


1位 大分県 47.26%
2位 岡山県 45.23%
3位 広島県 44.46%
4位 神奈川県 43.97%
5位 石川県 40.88%
6位 香川県 38.40%

あぁ、残念・・・5位入賞ならず・・・。
しかし、47都道府県から総人口の多い、10都道府県を引いた残りの、37都道府県中6位。
しかも、忘れてはいけない。
香川県は日本で一番ちっちゃい県であることを・・・・。


【滞在資格別分析(ビザの種類で分析)】

さて、ではこの増減率38.4%という数字をどう捉えればいいのだろうか・・・。

「外国人が増える!こわいよぉ~!」
      
        ↓

「外国の方にも香川は住みやすい場所なのかしら?」

Vol.4でインタビューに答えてくれたRob Johnston(ロブ・ジョンストン)さんも、
番組中で香川が気に入って9年住んでいる理由を話してくれていた。


でも、数字は何を物語るだろう・・・・
滞在資格別に2011年の香川県の外国人人口を分析してみた。
滞在資格=ビザの種類と思ってくれればよい。

TOP10はこうだ

1位 永住者 22.96%
2位 技能実習2号ロ 16.69%
3位 技能実習1号ロ 13.76%
4位 特別永住者 9.61%
5位 日本人の配偶者等 8.23%
6位 定住者 8.09%
7位 留学 5.26%
8位 技能実習2号イ 3.16%
9位 家族滞在 2.35%
10位 人文知識・国際業務 2.29%



13位 永住者の配偶者等 0.93%


滞在資格だけでは、その滞在年数を推し量ることはできない。
ビザの更新をし続ける人もいるし、ある一定期間のビザの種類から環境が変わって
別の滞在資格を得る人もいる(留学→就職など)。

しかし、「長年いてもいい資格」と考えたときに・・・その資格を持つ人、またその配偶者等という資格を加算すると・・・・

香川県に住む外国人の実に
49.81%
が、永住・定住者もしくは日本人の配偶者など長く居るつもりで取る滞在資格なのだ。


Vol.4に登場するロブ・ジョンストンさんは、「教育に関わる仕事のできるビザ」をもって滞在している。ビザの更新が必要だ。
私の夫も、「日本人の配偶者等」というビザを持っており、同じく更新が必要。
ロブさんは就労の種類に制限があるのに対し、私の夫はその種類に制限がない。
就労の種類の制限がないというのは、
朝はパン屋で働き、昼間英会話講師をして、夜はバーのマスターという生活をしてもかまわない。
という感覚。

さて、香川県にいる外国人は「いずれ2~3年で帰る人」というイメージを強くもっていないだろうか?

香川県にいる外国人の半数近くが長く香川県で生活するつもりでいる。
・・・と言うと少し大げさかもしれないが、よっぽどの事がないかぎり、
滞在資格より短く帰ることはない。
せっかくもらった資格なのにもったいないからだ。

そう考えると・・・20年前くらいの感覚、
「外国人は外国人」「日本人は日本人」という考え方では
もうお互いにやっていけないんじゃないかな?と感じないだろうか?

「外国の人だから日本の風習を知らなくても仕方ないよ」というあきらめ、
「日本に住むなら完全にうちらにあわせろ」という強引な考え。

もう、そんな時代じゃない。

日本人が海外で生活するときに、「箸を絶対使うな」と言われたって、
絶対、家で箸は使う。←経験者は語る。だって便利なんだもん!

日本人が海外で生活するときに、
「ここは日本人じゃないんだから、日本人みたいに振舞うな!」って
いわれたって「できない」(失笑)。
失敗すればついついヘラヘラしてしまうし、
ついつい会釈をしてしまうし、家ではやっぱり靴は脱ぎたい。

だって、これらは私たちが「日本人だ!」という「アイデンティティー」だもの。

ベストなのは「歩み寄り」

外国人も日本の生活になじむように努力する。
日本人は彼らのアイデンティティーをつぶすようなこと
(上記の”日本人が海外で生活するときに”で書いたようなこと)を外国人にしてはいけない。
そして、お互いが無理なく共に過ごせる社会を築かなくてはいけない。

それが「多文化共生」という考え方。

とくに香川県は急がなくてはいけない。
数字が全てではないが、数字が示す現実と、実際の社会の感覚にギャップがありすぎる。

そのために、SANUK-ENGLISH TVを始めた。
ちょっとこのデータを頭の片隅に置いて、番組を見てもらえるとうれしい。

この番組は、英語だけで香川で生活することを推奨している番組ではない。
見てくれている人を外国かぶれさせたいともサラサラ思っていない。
「お互いが歩み寄る」そのために、私たちSANUK-ENGLISH Productionに何ができるか。
それを常に追求して配信する番組でありたいと私は考えている。



====番外編====


香川県は四国の瀬戸内海川に面した、日本でもっとも小さい県である。
気候は温暖で、台風などの被害も少ない。
人口も100万人弱。
良い意味で田舎であり、県民性もどちらかというと「おっとり」している。
こんな気候からか、昔から香川県は文化人を輩出してきた。

県内に通る鉄道は、JR3線、私鉄3線。
地下鉄も路面電車もない。

しかしながら、香川県は常に四国の玄関。
昔から、「新物」が一番最初に入っていた。
かつては、「常品なら徳島県、新物なら香川県」と徳島・香川の県境では言われていた。

さて、こんなちっちゃな、おっとりした香川県。
県民性として新しいもの好きではあるが、その一方で急激な変化は望まない。
そんな香川県では、やっぱりまだまだ「外国人=めずらしい」と思っている人が多いように思う。

SANUK-ENGLISHのディレクターである私SATOKOは、
夫がアメリカ人であり、海外で5年生活していたこともあり、
「当たり前に外国人がいる」生活を香川でも送っている。

とはいえ、ここ10年の変化を考えると感覚的にではあるが、
「増えたな、外国人♪」と思うようになった。

その感覚がデータを見て実証されるか試してみたくなった。
そしたら、やっぱり直感は当たっていた。

No comments:

Post a Comment